パワーアップその5・後編
- 2001年5月10日・問題判明
ビーライドからろくえふの進捗報告が来た。はじめからあった異音は、カムチェンテンショナの再交換で解決。今回新品に換えた部品だが、ごくまれに初期不良品があるらしい。加えて、クラッチの組立てにも若干ずれがあったらしい。
で、これで解決、のはずだったのだが、別の異音(たぶん後から発生した方のこと)が残ったので、念のためヘッドを外してみた結果、4番ピストンのリングクリアランスが不均等になってるのが判明。これは異常ということで、結局またエンジンを下ろして全バラした結果、
4番ピストンが破損していたことが判明。 スカート部にヒビが入っていたそうな。原因不明とのこと。異音を出したまま走ったのがまずかったかな? でもピストンはカムチェンの振れとは関係ない気もするし。
少なくともピストンは要交換。しかしどれくらいかかるか(費用と期間) は調べないとわからない。最悪は廃車も考えるか?
- 2001年5月12日・状況確認
ビーライドに行って様子を見てみると、ろくえふは再び エンジンばらばらの状態。
問題の4番ピストンは、スカート部からピストンピン穴まで 見事にヒビが通っていた。 その結果、ピストンピンを留めていたCリングが飛んでしまい、ピストンピンとピストンがずれてクリアランスが偏り、さらにずれたピストンピンが当たって シリンダに傷が入っていた。
ピストンが割れた原因は、はっきりしないのだが、
- カムチェンテンショナの不良による異音はこれとは別事象でバルブ回りは問題なし。
- ピストン表面にはスティック、バルブヒット等の形跡もなし。
- 燃焼状態も異常なし。
という状況から、一次事象としていきなりピストンが割れたのではないかということらしい。
過酷な条件(オーバーレブや暖気不十分)だと割れることもあるらしいが、 今回は慣らししかしてないし、とりあえず結論として、
ピストンが不良品だったのでしょう。 ということになった。だとするとカムチェンテンショナに続き、2連荘でハズレを引いたってこと? なんだかな〜。
あとは今後の相談。ビーライドとしては、「これで廃車にはさせません!」 ということで、慣らし前の状態まで戻すのはビーライド持ちでやってくれることになった。 その内訳は、
- 4番ピストン交換
- シリンダ交換、再ボーリング
- 再組立て(消耗品込み)、
ピストンはメーカークレームにするのは難しいそうな。カムチェンテンショナはクレーム扱い。シリンダはクランクケース一体でしかも上下assyになるので、それだけで10万以上するらしいのだが、これは幸い中古部品のストックがあったのでそれを使うらしい。ありがたいけど、大赤字ですな(^^;)
費用のほうはそれで解決で、あとは期間だが、やはりピストンの納期がネック。国内在庫なし、現地在庫はありなので、また1〜2ヶ月というところか。それが来てから加工と組み立てだから、ついに半年を越えるなぁ。
ということは車検が来てしまうので、追加作業として車検整備と、そのついでにやろうと思っていたブレーキ回りのO/Hその他も頼んでおいた。次に乗れるのは車検を通してからになるかな? まあ廃車で乗れなくなるよりはましか。
- 2001年6月11日・ピストン納期判明
ビーライドから連絡があって、再注文したピストンの納期判明。今月24日だそうな。 再復活は来月半ばか。待ち遠しい。
- 2001年6月25日・ピストン入荷
ビーライドから連絡があって、再発注したピストンが入荷して、中古シリンダと合わせて再ボーリングを外注したとのこと。
再発注からほぼ一ヶ月、ようやく第2ラウンド開始。ボーリングから帰ってくるのが来週中、それから作業再開予定。
- 2001年7月3日・進捗状況確認
別件でビーライドと連絡を取ったら、ついでにろくえふの進捗について曰く、
「とりあえずエンジンの方は組み上がり、 現在、実走チェックする段階に入りました!!」 あれま。ボーリングの外注待ちかと思ってたらもうそこまで。実走チェックで問題なければ(もうあるのは勘弁して欲しいが)、とりあえず追加で頼んでおいた作業で未着手なのは後回しにして、今週末から慣らしを開始することにした。
- 2001年7月7日・ビーライド再出庫
SLでビーライドへ行って入れ替えで 再出庫。 とりかかってからもう半年経ってしまった。 心配していた天気もあっさり予報が覆ったので、予定通り慣らしをする。 とりあえず今週末で500km+オイル交換予定。
今日はまず都内を移動。テンショナが原因だったカムチェン周りの異音が解決されているので、それだけで非常にスムーズに思える。しかしやっぱり久々の前傾姿勢はつらい。
- 2001年7月8日・慣らしその2の1
今回も距離を見繕って 日光・榛名方面へ。
金精道路の峠越えの登りでエンジンが5〜6千からふけなくなる。たぶん安全側で濃くしてあるキャブセッティングが濃すぎるんだろう。500kmを達成してビーライドへ。オイルとクリーナを交換。
帰りの常磐道で慣らし第2段階として少し高回転を試したら、平地でも9千以上回らなかった。やっぱりちょっと濃すぎたかな?
- 2001年7月14日・キャブセッティング修正
ビーライドに行ってキャブセッティング変更してもらう。もともと、慣らしが終わったらBLRに委託してキャブセッティングを出してもらう予定で、それまでは安全マージンを見込んで仮に濃い目のセッティングにしてあったのだが、 先週の慣らしで
- 9千回転あたり(標高が高いともう少し下でも)でガス欠のようにパワーが出なくなる
- 高速を走ると燃費がた落ち(下道20km/L以上、高速18km/L以下)
- 排気口にカーボンたっぷり
ということがわかり、このままでは高回転の慣らしがやりにくいので、ビーライドと相談してメインジェットだけ絞ってもらうことにした。
帰り道で早速変更の効果をチェック。中回転域から回り方が軽くなった。低いギアだと一気に1万回転近くまで回る。ただし高いギアだとまだいまいちふけ上がらない。つまり最高速は伸びる気がしない。でもまあ慣らしにはこれでOKかな。
- 2001年7月15日・慣らしその2の2
今度は 菅平・志賀を一回りしてきた。
慣らし距離を達成して、最後にビーライドに寄ってオイルとクリーナを交換。あとはキャブセッティングを今度こそちゃんと合わせるのみ。
- 2001年7月27日・ビーライド再々入庫
本番キャブセッティングの為にビーライドに預ける。セッティングはパワーチェックと合わせてBLRにさらに外注予定。その前に車検の時期が来てしまったのでそれも済ませてもらう。
その車検は、ネタとして(黙ってれば判らないから必要ない)ボアアップを理由に「改造車検」にしてもらうことにした。
- 2001年8月6日・車検整備状況
車検整備のついでに頼んだブレーキライン変更の作業中に、フィッティングのヒビ割れが見つかったそうで、部品待ちでまだ車検未了。見えないところにもガタが来てるのね。まあ壊れる前に見つかったので良しとする。
- 2001年8月11日・車検進捗状況
結果的に修理込みとなった ブレーキラインの 変更が終わり、 車検は 予備検査が完了 してナンバー交付待ち。
- 2001年8月18日・ビーライド再々出庫
車検が完了したが、手間取っているうちにビーライドの盆休みの時期になってしまったので、一旦引き上げて乗ることにした。
- 2001年9月1日・ビーライド再々々入庫
こんどこそ「キャブセッティング(含むダイノジェットに戻し)」&「パワーチェック」するためにビーライドに預ける。作業自体はBLRに外注。これが終わればようやく完成だ。
- 2001年9月14日・キャブセッティング進捗
最後の作業が完了したとの連絡がビーライドから来たが、海外出張中のためまだ取りに行けず。実は出張は終わったはずが同時多発テロの影響でボストンに足止め中で、いつ取りに行けるかわからない状況だったりした。
- 2001年9月21日・完成、ビーライド再々々出庫
ようやく帰国できて、ろくえふを受け取りにビーライドへ。これでようやくエンジンOH+パワーアップ作業は終わり。いろいろあって8ヶ月もかかった。
で、気になるパワーチェックの結果は、
大して変わらず。 あれれ? これにはビーライドもBLRももうちょっと出るはずではとは思ってるらしい。 吸排気が追いついてないのでは?とかいろいろ検討はしているとのこと。 とりあえず現状でのセッティングはこれでベストのようなので、ひとまずはこれでよしとする。
乗った感覚的にはもうちょっと変わったような気がしてのだが。今回が最終仕様かと思ってたのに、まだ試せることはありそうだ。うれしいやら悲しいやら。
- 2001年9月22日・実走確認
早速ツーリングに出かけて試してきた。行き先は 内山牧場・榛名・赤城。
ろくえふのキャブセッティングは当たり前だがばっちりで、ストレスなく上まで回るので気持ち良い。燃費もツーリングでは20km/L計算で問題ない。 最高速が前より伸びそうな気がしないのはパワーチェックの結果通り。 そこまでのスピードの乗りは良くなったとやはり思うのだが、数字で比べられない以上、思いこみのせいかどうかは微妙。
ともあれ、特に問題は感じなかったので、しばらくはこのままで行こう。そして、 このツーリング中にろくえふの走行距離が10万kmを超えた。まだまだ行けます。
つづく?