陳舜臣の歴史小説。しかしむしろ史実に忠実に書かれているため、ストーリーに
さほど影響しないような説明的記述が多く、正直、読みにくかった。
作者もその点は意識しているようで、途中にexcuseが入っていた。時代背景や文
化をリアルに理解してもらうために敢えて書いていると。
枝葉末節の脚色は読み飛ばし、分かりにくい人名もあまり気にせず読み進めると
そこそこ気楽にストーリーを追え、まあ楽しく読めたかな。
三国志もそうだったが、登場人物が多すぎるよ。中国(の話)ってそうなんだろ
う。人名の読みが覚えられないのでわけわからなくなる。この話は、漢人と満人
で読み方が違うのでなおさら。
雑魚キャラが次々と出てきてはヘマしてくたばっていく。
口伝的英雄譚の寄せ集め。
挿絵でもなんでも、もう少し想像しやすくするものがあったらよいのだが。
この話の中身が、ほとんど「辮髪の人間」で構成されているイメージがとんと沸
かない。
まあいい。
しかし阿片戦争。知るほどにひどい話だ。
中国は前にも感じた通り4000年進歩していない。腐ってる。
イギリスは本当にひどいな。こういうことをやらかして、その後世界からの酷評
により許されないことは理解しているが、やらなくなった
だけで感覚的なところでは変わってない感じ。んで、他国にもさせない→先にやっ
たもん勝ち
卑怯の権化である。
当時から、するべきしないべきとの議論があり、僅差で・・とのことであるが、
東インド会社も含めて所詮、経済的、軍事的に侵略していて、そこの経・軍バラ
ンスが一線を越えただけの話。どっちにしてもダメなんだよ。
さて現代、中国が変わることを期待して各国の政経がまたいろいろと粉をかけて
いるが、
いや、あの国は変わらないんだよ。と理解すべきなんじゃあないのかな。
それを前提にどう付き合うか?どう搾取するか?という戦略が必要なんだ。
しかし、「搾取」の戦略はやっぱり駄目なんだよ。阿片はあからさまだったが、
植民地主義の延長だよ。いまだにそういうアプローチをしている国は多い。
むしろそういう奴らを牽制するような外交をしなきゃいけないんだろうな。
わし(の仕事)は大丈夫か?
中国の歴史は、もっと勉強した方が良さそうだな。
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